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子会社の上場(3)





子会社に対する影響力」の続きです。

子会社に対する影響力、つまり子会社の取締役の選任・解任権
を握ったまま子会社を上場させるのは、本来的には資本主義と
か市場主義とかいわれる理念に反することなのです。

つまり、親子上場というのはよくないことなのです。

資本主義・市場主義というのは、マーケットに出回るものすべて
を取引の対象にする経済体制です。すべてのものに値段がつ
き、買いたい人は誰でも買えるし、売りたい人は誰でも売れる、
そんな経済です。

会社の上場というのは、「この会社売ります・買います」ということ
ができることです。会社を「商品」として市場に出し、買いたい人
は買えるし、売りたい人は売れる。

上場(IPO)については、株式を売り出す経営者の一攫千金ばか
りがクローズアップされますが、それ(資金調達)は上場の一側
面にすぎません。資金調達の反面には、会社の経営権を市場
(パブリック)にゆだねるという側面があるのです。

会社の経営権を市場にゆだねるということは、「この会社の経営
者クズだな、オレだったらもっとましな経営ができる」と考えた人
は、お金さえあればその会社の株式の半分ないし3分の2以上
を握ることでその会社の経営を自分のものにすることができるべ
きはずということです。

つまり、お金さえあれば誰でもどこの上場企業の社長にでもなれ
るのが資本主義経済なのです。

しかし、親子上場というのは、子会社の経営権を手放さないまま
資金調達(ファイナンス)のおいしい思いを味わえるという、いっ
てみればムシのいいやり方です。

「カネは出しても口は出すな」というのは昔はやった言葉ですが、
親子上場というのはそういうことです。

西武鉄道株の大半を保持しているのにコクドが有価証券報告書
に過少記載していた件については、堤さんがウソをついていたこ
とが本質的な問題というわけではないのです。もちろんウソはよ
くないですが。

本質的な問題は上場企業全体に当てはまることです。それは、
上場(パブリック)の利益(資金調達など)を維持したまま会社を
私物化(プライベート)しているということなのです。

だから、東証の上場廃止基準における「少数特定持ち株数が上
場株式数の80%超」というのは高すぎますね。会社の私物化が
制度的に保障されていると思います。

また、PBR1倍割れが「割安」などとしてよく好んで投資対象にさ
れたりしますが、実はこのことは日本のコーポレート・ガバナンス
が機能していないという意味にすぎないともいえます。

だって、PBR1倍を割り込んでいるなら、その会社を乗っ取って解
散させて売り飛ばしてしまうほうが社会経済的に効用が高いで
すからね。



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