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ふかひれ明太子


ライブドア対フジテレビ(6) 1/3ルール

そもそも、フジテレビは同じグループのニッポン放送を子会社化しようとし
てTOB(公開買付)をかけていました。

株式の公開買付とは、市場外で大量の株式を買いつけるための制度で
す。証券取引法では、1/3超の大量の株式を市場外で買いつけるときは
公開買付によらなければならないと定めています。

これが1/3ルールと呼ばれるものですが、ライブドアのニッポン放送株取
得はこのルールをすりぬけて(悪く言えば無視して)行われたものです。

逆にいえば、こういうやり方でなければライブドアがニッポン放送を手に入
れる方法はなかったということでもあります。



株式というのは市場で取引されているわけで、それをどうして市場外で取
引しようとするのでしょうか。

それは、マーケット・インパクトの問題でして、市場内で大量の株式を買い
つけようとすると需給のバランスが偏って株価が上昇することになり、企
業買収などがやりにくくなるからです。

市場内で買付をしようとすると不利なので、買収側は市場外で秘密に大
口株主と交渉して株式を手に入れようとします。でも、それだと買収側と交
渉している株主と交渉していない株主とで不公平が生じます。

そこでこういう不公平のないように、市場外の大量買付は期間と値段を公
開してしなければならないようになっているわけです。

フジテレビはこの正規のルールにのっとってニッポン放送株を取得しようと
したのですが、ライブドアはこれを横取りするような形でニッポン放送株を「
強奪」しました。

どうしてそんなことが可能だったのでしょうか?



ライブドアが利用したのは、ToSTNeT-1というシステムです。これはわれ
われ一般投資家でなく、機関投資家等の多様な取引ニーズに対応するも
ので、単一の銘柄の注文についてネットワーク上で匿名で取引の相手方
を探し出し、個別に条件交渉を行い、取引を成立させることができる
という
ものです。

そこで「こんな方法で大量の株式を買いつけることが許されるのか? こ
れって市場外取引じゃないのか?」という疑問が当然出てくるのですが、
ライブドアはこれを「時間外の市場内取引」と呼んでいます。

トストネットは相手が誰だかわからないしくみになっていますので、これを
「市場内」と呼んでも差し支えなさそうです。ただ、こういう形で簡単に企
業買収が可能であるということになると、「株式公開買付の意味がない
じゃないか
」ということにもなってきそうです。

ライブドアの手法が先例として認められるようになると、公開企業の買収
には、TOBとToSTNeTの2つの手法を使い分けられることになります。お
そらく、相手方がいることが分かっているときはToSTNeTを使って、それ
が明らかでないときはTOBをかけることになってくるのだと思います。

トストネット自体は96年から動いているシステムで、今まで企業買収で活
用されてこなかったのが不思議なくらいですが、こういう抜け道を開発した
ライブドアという会社にはやはり凄みを感じざるをえません。






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